学校が4月にはじまる国は少数派
外国に留学する人が困ることの1つに、学年が始まる時期が、国によってちがうという点があります。日本だと始まりは4月。小学校入学というと、桜のイメージですね。
でも、4月という国は少なくて、米国は9月末。欧州も9月末が多いようです。中国も9月。オーストラリアとニュージーランドは南半球だからか、2月頃。ついでに書くと、韓国とチリでは3月。シンガポールは1月です。
留学は「いき」と「かえり」で1年余計にかかる
日本から欧米に留学する人は、3月に日本の学校を卒業して、9月に入学します。つまり、半年がここで無駄になります。そして6月頃卒業して帰国し、翌年の4月に日本で就職、あるいは進学。要は「いき」と「かえり」で1年余計にかかるということです。
最近は、大学在学中に留学する人も増えました。自分が通っている日本の大学と留学先の大学が提携していれば、留学中の単位を、日本の大学の単位に加えることができる場合もあります(単位互換制度と呼んでいます)。ただ、これもうまく計画しないと、結局4年で卒業できないことがあります。たとえば、3年生の秋から留学して、翌年の6月に帰国します。この場合、もし春学期(前期)の必修科目の単位がまだとれていないとすると、帰国した次の年・・つまり5年生の春学期に単位をとることになってしまうのです。1単位か2単位のために1年間余計に学校に行くというのも、何だか勿体ない(時間もお金も)と考えるのが自然でしょう。こんな問題を少しでも解決する手段として考えられたのが9月卒業です。
9月に卒業した学生は採用してもらえるか
とはいえ、たとえ大学が9月に卒業させても、企業の採用が4月だけなら、結局時間が余計にかかることになります。そうだとすると、9月卒業にはあまり意味がないかもしれません。企業や官公庁などが9月卒業をひろく受け入れてくれることが必要です。そうなると、9月卒業を選択する学生も増えるものと思われます。
また新卒採用を年2回もするとなると、人事部の仕事が増えることになるでしょう。しかし、9月卒業・10月入社は、企業にとってもメリットがあります。それは、欧米からの帰国子女や、日本にやってくる留学生が10月入学・9月卒業を選択することが多いと思われるからです。つまり、9月卒業者は「個性派ぞろいの国際派」になる可能性が高いといえるでしょう。人材の国際化をすすめていくためにも、10月採用を始めていくべきだと思うのです。